中学受験では、塾の慶應コースに振り回されて大惨敗。慶應どころか中堅どころの滑り止めにも落ち、第5志望の私立一貫校に通うことになりました。本人はリベンジを誓うことでしか、心が保てなかったと思います。そんなことから、先生には中学入学とほとんど同時に来ていただきました。

「今の学校は不本意でしょうが、公立中学よりはレベルが高いんです。中学受験とは違います。学校の授業を最大限、活用してゆきましょう」
もともと塾の方針に盲目的に従って失敗した経験から、先生のそのお言葉通り、学校の成績を最優先にいたしました。そして、それが思わぬ有利な状況を生み出したのです。
一貫校からのリベンジ高校受験の難しさは想像以上でした。在籍する中学の引き留め、内申書での嫌がらせなどを受けて、諦めて大学入試に賭けるという方々も多いのです。しかし息子の決意は固く、それに私どもには最強の相談相手として、いつも先生がいてくださいました。じっくりご相談し、いろいろ考えたあげく、最善の方法は中3になると同時に今の学校を退学して公立中に転校することだろう、と結論を出しました。
ところが在籍する中学から内々に、退学する必要なはい、万一のときは戻っていらっしゃい、とのお話をいただいたのです。形式的には高校部の入試を受けてもらうが、中学からの推薦状で合格させるから、他の滑り止め校を受ける必要はない、と。
そのことが息子の塾高入試をどれだけ有利にしたことか。そんな申し出があったのも、先生のご指導に従い、塾高入試の準備を進めつつ、在籍中学の成績を学年トップ近くに保っていた結果でした。
息子は、先生にはもちろんのこと、今では中学まで在籍した学校も自身の母校として、深く感謝しております。3年間、ありがとうございました。

(東京都新宿区、男子。慶應義塾高、某在籍一貫校高校部合格)