神経が細く、ちょっとしたことで傷つく息子は、それまで家庭教師の先生を何人も交替しておりました。困り果てていたところ、こちらの先生がいらしてから、まもなく本人の様子が変わりました。子供の性格、頭の働き方、その結果としての得意不得意など、先生は一瞬で把握されたようです。それからの10ヶ月間も、本人の心の動きを全部わかっておられたのでは、とすら思います。塾やそれまでの先生方に対し、気むずかしい難癖をつけていたのは、本人の不安感からだったのだ、とやっと腑に落ちました。
「模試で常時80%合格可能性が出ている生徒は、その学校は受けませんよ。キミは十分、普通部・中等部に合格できるレベルに達してるんだから」というお言葉も、先生の口から出たからこそ、親も本人も信じる気になりました。我が家にとって、先生は優しく、大きな懐で何もかも承知され、安心して慶應を目指せる「環境」そのものでした。よくは存じませんが、トッププロと単なるプロの先生方との違いは指導技術のほか、本人と親に落ち着きを与える人間的な容量の差なのでしょうか。
それでも本人の弱気や能力傾向から、1日の普通部はやはり回避いたしましたが、その決定の際にも深夜まで相談に乗っていただき、本当に感謝しております。

(東京都渋谷区、男子。慶應中等部、慶應湘南藤沢(SFC)中、成蹊中、立教池袋中合格)